
良日
2004 年 6 月 20 日(日)
鎌倉材木座
晴れ
Sail:Expression 6.7(NEIL PRYDE) Board:NG ACP 260
予感はあった。
鳴沢の道の駅で車中泊していて夜中に雨が降り出したのだ。
本栖湖でのウィンドで雨なんて許せるだろうか?
朝、外は霧雨だった。ガストで朝飯を食って本栖湖へ移動する。I田さんからのメールで富士山より東側はよく晴れているようだ。本栖湖へ近づくにつれ、雨は激しさを増す。
FUNビーチにたどりつき、湖面は白く泡立っている。風は充分だ。けれど、雨――トイレにいっている間に、雨はさらに激しくなる。気持ちが萎えた。
台風の影響で吹いている湿った南風が富士山にぶつかって雨になっているのだろう。
I田さんとメールで連絡をとりつつ、東進――途中、鳴沢の駐車場でインターネットに接続し、アメダスをチェックする。沼津牛臥を期待したが、あまり、吹いていない。吹いているのは湘南、鎌倉のあたりだ。東北のあたりに前線があり、それに向かって吹いている南西風なのかもしれなかった。
I田さんは西湖をチェックし、雨は降っているが、そちらで乗るという。
鎌倉か――。
所要時間を計算した。東名高速をつかえば、二時ぐらいにつくだろう。
山中湖をチェックしてから御殿場へと下りていく。
山中湖は論外だった。ブローこそはいっているが、その幅は狭く、大部分は微風のコンディションだった。そこへT橋くんから電話がはいり、彼は鎌倉へ向かうという。人のことはいえないが、起きるのが、遅すぎないか? T橋くん。
東名高速を飛ばし、横浜町田インターチェンジから十六号バイパス。
笹下釜利谷道路へ向かって行くつもりだったのに、道をまちがえた。環状2号線にでる。しかたなく、それをつかって笹下釜利谷道路へ――そして、霊園脇を抜けて、鎌倉と逗子のどちらに向かうかで迷う。T橋くんは鎌倉の駐車場が空いてなかったので逗子にいる。逗子へ。中央の駐車場は満車だった。道路脇に車を停めて逗子海岸をチェックする。
海の家が建築中だった。
風は――ない。というより、沖合いにある風がビーチあたりまで届いてないという感じだった。波はいい。腰胸のサイズのセットが海岸の半分ぐらいの長い幅ではいってきている。当然、サーファーがそれにあわせてまんべんなくちらばっている。
駐車場は空になったが、風がいまいちすぎる。鎌倉をチェックしたからでもいいな、と思い、鎌倉へ移動してみる。トンネルをくぐると材木座の様子が見てとれた。
吹いている。といっても一応という感じだ。逗子の沖合いと同じくらいの風だ。アンダーだが、なんとかプレーニングするだろう。
選択の余地はないな。
鎌倉の県営駐車場の列に並んだ。
三十分ほどで中に入れた。
速攻でセッティングし、今年はじめてのショートジョンを着た。
引き潮で材木座は遠浅になってしまっている。波は逗子がいい。けれど、逗子マリーナ横の海面でいいサイズの――時にはヘッドの波がブレイクしていた。五、六艇のエキスパートがその波でウェイブライディングを楽しんでいる。
さすがにあそこにはいけないなぁ、と思いつつ、海岸に出て道具を持ち上げ、置き直して離し、腕組みして考えこんでしまった。風が落ちてきていた。沖合い以外の海面にいるウィンドサーフィンはプレーニングしなくなってしまっている。そうこうしているうちに、沖合いも動かなくなる。それにつれて波のサイズもダウンする。
動揺しているのはぼくだけじゃなかった。
夕方から風が上がることを期待して風待ちしていたセイラーは呆然としていた。
どうしようもなかった。
いっそのことこのまま、道具を片付けて帰ってしまった方がいいのかもしれなかった。
今日はポリタンクに水をいれてきていない。なまじ、海に道具をつけてしまうと面倒だ。そう思ってもすぐにあきらめて鎌倉をあとにする気持ちにもなれなかった。目の前の道路がひどい渋滞になっていたのだ。時間が経つほど、駐車料金が嵩むことは承知していたが。
四時近かった。
見ていると、ビーチ際の波でウェイブしているウィンドサーフィンがいる。サーファーが少ないエリアで行ったりきたりしている。あれくらいはやって遊べそうだな、と思い、道具を潮にまみれさせるのを嫌がりつつも海にでた。
セイルはアンダーセッティングしていた。
材木座の右手の波がたつところ以外の海にはほとんどウィンドサーファーは見えない。いるのは学生たちのイムコ艇ばかりだ。
ビーチスタートして風をいれてとろとろと進んだところでブローがくるのが見えた。激ブローではない。かなり微妙なブローだったが、つかんでみるとぎりぎりでプレーニングするぐらいのパワーはあった。もちろんベアしてパンピングしてだが――それがきっかけだったようだ。風が戻ってきた。アンダーなりに乗れる風になる。やがてそれはジャストの瞬間が増え、瞬間的にはオーバーになることも――。
乗る。
ひたすら乗る。
上りがとれないため、風下に落ちぎみだったが。
インサイドで膝程度の波にあわせて乗り、強引にバックサイドにふってふってふっているうちに、奇声が出た。波待ちしているサーファーに苦笑されたが、ぼくは非常に満足だった。やはりウィンドは波乗りが一番、楽しい。どんなにへたくそであっても。
見ると、逗子マリーナ横のエリアにはふたたび、波がはいっていた。
満ち潮なのだった。
2ラウンド目に突入。
乗る。
ひたすら乗る。
他のセイラーより大きめのセイルということもあって走りつづける。あまり上れないが。他人よりもぼくが走るなんて一年に一度、あるかないかのことだろう。
そのうちに息が上ってきた。疲れのせいでフォームが安定しなくなってきた。ポートの上りが覿面、悪くなる。
六時近い――まだ、明るいが、材木座の浜もなくなってきている。
終了にした。
どうやらそのタイミングはちょうどよかったらしく、道具を駐車場に運んでいるうちに、風がなくなった。
最後の最後に今日はついていた。
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Takehiro Yamada