
ひさしぶりにガッついた。実りは少なかった。
2004 年 2 月 11 日(水)
葉山長者ヶ崎
晴れ
Sail:Expression 6.7(NEIL PRYDE) Board:NG ACP 260
2月11日は建国記念日である。
知らなかった。
記憶にあるのは十年ほど前の2月11日のことだ。春一番が吹き荒れた日。今はあの日のウィンドがどんなものだったか、まったく記憶には残っていないが、鮮烈な至福の日だったと、印象だけがある。
別にその日の再来と思っていたわけではない。
前日の天気予報では南西強くが報じられていた。
が、予想天気図はそれにふさわしいものではなかった。普通、吹かないだろう。けれど、吹くかもしれない。土曜に乗れなかった悔みもある――今日は海へ行くつもりだった。
寝坊してしまったが、風はまだ、吹きていなかった。
昼すぎに車を出し、湘南方面をめざした。
鎌倉をすぎ、逗子をすぎ、ひさしぶりに葉山公園の駐車場へ車をいれる。奥の駐車場が閉鎖されいるため、駐車場は混みあっていた。二十分ほど、待たされてたが、無事、中へはいる。
葉山公園の駐車場から海を見下すと、風が吹いているような気がする。地形の関係だとう。海岸までおりると、風は全然、足りなかった。それでも少し風がはいってきているような雰囲気だ。待つことにした。
Blogをいじって時間を潰す。
葉山公園の駐車場は六時閉鎖だ。もうあまり時間はないな――今日は結局、乗れないか……そうあきらめたのに、パソコンから顔を上げ、風が吹いていることに気づいたときには心が揺らいだ。
風が上がってきていた。
波打ち際に立って海を見る。ぎりぎりだが、乗れそうだ。しかし、時間もぎりぎりだった。海岸にでる道が空いていたので、駐車場からだして路駐に切り替えた。ボードをひっぱりだし、海岸線へ運ぶ。
一気に気持ちは集中した。
十分ほどでセッティングを終える。集中しているので、忘れ物はしなかった。海岸線から海を見ると、日没寸前で、赤い太陽が水平線に落ちていきつつあった。五十六億七千年という絶望的な年月ののち、やってくるという弥勒……「暗黒神話」のワンシーン、あるいは「百億の昼と千億の夜」を思い出す。
長者ヶ崎から吹き下ろすブローは二割増しだ。その分、ガスティになるが。
ビーチスタート。ブローにあわせてパンピングする……が、プレーニングしない。アンダーだった。薄暗闇の中、湾の中を往復する。一度だけ、右足だけストラップにいれてハーフプレーニングしたぐらいだ。何度か、沈したが、ウォータースタートすることが可能な風だったので問題はなかったが、ふと、思う。鮫は夜行性ではなかったか?
風は徐々に落ちていた。
南の方からヘリコプターの爆音が聞こえてきた。海岸線に沿って北上してきている。たぶん海上保安庁のヘリコプターだろう。心配されたら嫌だな、と思いつつ、ヘリコプターの動きに注意していたらいったん、通過したあと、転進してぼくの頭上に近づいてくる。
――あかん。
ビーチに上がって道具をかかえてよたよたと、車を置いた方へと歩き出した。
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Takehiro Yamada