ピザーラ・クア アイナ カップ2002




2002 年 11 月 24 日(日)
三浦津久井浜
曇り
Sail:SOUL 6.2(NEIL PRYDE) Board:DROPS 9'6"



 せめてスタートぐらいは切りたいよな、と思っていた。
 あわよくば勝ち上がりたいものだ、とも――もっとも冷静な自分はそんな皮算用な自分に否定的だった。なんの努力もしてない人間が勝てるわけがない。才能もないのに。
 道具は昨日のまま、浜に置いていったので、準備は楽だ。
 それでも夜中の風で飛ばされてしまってないか、すぐに確認する。今日は昨日とちがって空の雲は薄めだ。ときおり晴れ間も見える。
 沖合いは昨日よりも風はなさげだった。
 万が一を考えて今日は 6.2 をセットし、ビニールテープでセイルナンバーもつけた。さすがに昨日、8.0 と 5.7 ではちょっと間があきすぎた。コペロ 269 も用意しておく。
 Sさんが 6 平方台の準備をはじめた。
 7 平方台をもっているんだから必要ないだろうに――そう思ってたずねると、風が上がっているのだという。K来さんが沖にいってみて昨日よりもきついとのこと。
 えっ?
 海岸沿いの県営駐車場にゆき、海を見る。K山さんが熱心に双眼鏡で沖の様子を観察していた。風はある。昨日とくらべてということになると、わからない。しかし、まちがいなく沖合いの海面には白波が見える。
 K山さんは 6 平方台で出るという。
 K山さんよりあきらかに体重があるぼくが同じサイズのセイルとはいかがなものか――しかもぼくのはウェイブ・セイルだ。迷っているうちにヒート表がでる。ぼくのヒートは第3。今日はレディースのヒートが先に行なわれてからメンズのヒートにはいる――多少、時間はある。
 コペロ + 6.2 で出艇することにした。


 昨日同様、ビーチ際の風のはいりはよくない。
 ブローがきているのが見えるのだが、ビーチのそばまでくると消えてしまう。
 コペロでビーチスタートしてみておそろしいことに気づいた。
 コペロの上に乗ったとたん、股下まで沈んでしまう。さすがに腰まで沈まなかったが、それは単純にコペロのスケグが海底にあたってしまうからだ。何度か、チャレンジしてコペロ + 6.2 での出艇は不可能だと判断した。
 板を DROPS にかえた。
 それでレース海面に向かいながらブームが低すぎることに気づいた。
 そんなことよりとレース海面へ向かう。
 レース海面はどん吹いていた。


 レディースの第1ヒートのスタートシーケンスがはじまる寸前だった。
 ブームの高さを調整しながらセイリング。セイルサイズはジャストぐらいだったが、ブローがはいるとさすがにきつい。でもだいじょうぶだ。乗れる。
 セイルを水面におとし、板に腰かけてレディースの第1ヒートを見学していた。
 それで自分のヒートのだいたいの開始時間と、マークの位置関係を知る――それにしてもスタートから第1マークまでがすごく下っているような気がする。その分、第2マークまでがアビームから若干の上りというところか。


 イエローフラッグがおろされて第3ヒート1分前。
 ちょっと上に位置しすぎた。同じヒートの選手の肩ごしに本部艇が見える。ベアさせながらスタートをめざす。スタート。遅れた。ぼくが最上位置だ。下らせていく――ブローがきつい。びびりがはいってフルスロットルにできない。第1マークまで半分まできたとき、自分が不利な位置にいることに気づいた。ほとんどの艇がぼくの風下を走っている。ジャイブにはいりはじめると、とたんマーク付近が密集。インを狙うなんてぼくの腕では無理。しかも海面は先行艇の引き波でぐしゃぐしゃにあれている。大外をまわるが、沈。ウォーターでリカバリーしたときにはぼくのひとつ前の艇は第2マークまでのレグの半分ぐらいの位置にいた。
 プレーニングにはいるのにももたついた。
 第2マーク、第3マークと回るが、ひとつ前の艇にも近づけない。もうすこしセイルパワーが欲しい――そのままでゴール。
「37-73、十着」とアナウンスされた。


 風があるところではフルプレーニングで、風がないところではよろよろとしながらビーチに戻り、帰着申告。途中、Tのレースを偶然、見ることができた。第2マークでTは四番手にいるように見えた。こりゃ、勝ちあがりそうだな、と思ったが、結果は六着だったらしい――トップがだんとつでぼくが数えまちがえたのだろうとのこと。


 ヒートは昨日までとはちがい、淡々と進行していく。
 もう一レースぐらい行なわれそうな雰囲気だ。
 ビーチ際ではビギナーズ・クラスのレース、フリースタイルが行なわれている。


 第3レースを行なう、とアナウンスされた。
 たぶんこれが最終レースになるだろう。
 ヒートは第2。ラッシュガードを受けとってレース海面へ。道具のチョイスは第2レースと同じ、DROPS + 6.2 。レース海面はあいかわらず、吹いていたが、心持ちアンダーな瞬間がある。それでもブローはきつい。
 ウェイブセイルはやはりパワー、ねぇなー、と思いつつ、スタートを待つ。
 前回と同じヒート進行。レディースの第1ヒートでマークの位置と時間を確認。今回はアウターよりからスタートしようと考える。カウントダウン。下にひとりおいて下スタート。しかし、ジャストではなかった。風がちょうど足りなくて粘るようなプレーニングでスタートラインを切る。上スタートの艇のブランケットにはいっていたのかもしれない。
 角度を落として加速したいのだが、風下の艇が邪魔だ。
 スピードがのらず、遅れはじめる。
 第1マークはどんケツ。二艇が沈していた。その大外をまわっていてぼくも沈。第2レースとまったく同じ沈のしかた――が、すぐにウォーターでリカバリーしてもたついている二艇を抜いて第3マークへ。
 風が足りない。プレーニングしない。ずりずりと走っているうちに、プレーニングした二艇に抜かれた。
 うっきゃーっ。
 一艇は第2マークでセイルを落した。それを抜いて第3マークへ。前の艇はうまくプレーニングできてないのが、わかった。テイルをひきずっている。ぼくはうまくプレーニングにはいれた。第3マークまでのレグの三分の一ぐらいまで先行されていたが、かわす。第3マークのジャイブを失敗せずにクリアしてゴールへ一目散。半分ぐらいまでいったところでうしろをふりかえると、次の艇はジャイブしおわったところだった。
 沈しないことだけを考えてゴール。
 アナウンス。
「37-73、落ちました」
 何をいったのか、わからず――頭の中で言葉に変換できなかった――、セイリングしながら考える。キャンセルでもなさそうなのでとにかくビーチに戻って帰着申告をした。
 あとでI村さんから聞いてようやく、ヒート落ちしたということをいっていたのだということがわかった。


 あとは片付けをして暗くなった中、閉会式。
 T社のN島さんが IFCA クラス、二位で表彰台にあがっていた。


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Takehiro Yamada