
ちぐはぐ
![]()
2002 年 3 月 17 日(日)
鎌倉材木座
晴れ
Sail:CORE 5.7(NEIL PRYDE)->ZONE 4.7(NEIL PRYDE) Board:NG ACP 255->WAVE265(MISTRAL)
「よっ」
ふりむくとM下さんが片手をあげて笑っていた。髪をひっつめにしている。レースのときのサンバイザー姿の印象が強くて一瞬、見慣れなかった。
午前中からイムコで海にでていたのだ、という。
吹いているよー、というが、ぼくは暗い顔をした。
「ウェイブしかもってきてない」
笑われた。
昨日、Sさんと御前崎へ乗りあわせたのでそのとき、スラロームの道具は車から下してしまったのだ。日本海側に低気圧が入って吹く南西風だ。どん吹くはずだと思っていた。だからスラロームの道具なんていらないと思っていた。
N社のY田さんは 6.5 のスラロームセイルをセッティングしている。
鎌倉湾を走りまわっているウィンドはどれもスラロームか、フリーライドだ。
波もなく、ウェイブには風も足りない。
悲しい。
Sさんは三浦でスラロームでかっ飛んでいることだろう。さっき電話で話したときには 7.5 を張るといっていた。
しかたないので WAVE265 をひっぱりだすしかない。
M下さんと雑談して時間を潰した。
話すのに飽きたM下さんが海に向かうのでぼくもセッティングを再開する。WAVE265 に 5.7 の CORE。
干潮らしく潮干狩りのときのような材木座。
あれ? とぼくは思った。風が上がっているような気がする。5.7 じゃ完全にオーバーだろう、という雰囲気だ。駐車場に戻ってウェットに着替えながら考えた。ノンフローターの NG ACP 255 をだそうかな、と。
M下さんがふたたび、あらわれた。
ジョイントを目一杯に引いても乗れないから今日は上がる、という。
半分は脅し――M下さんが乗れないわけがない――だろうが、吹いているのはまちがいない。
ついにきたのか。
どん吹きの風が―― NG を小脇に抱えて海岸へ。板を交換して出艇した。
どん吹きだった。
NG + 5.7 の組み合わせを使うのははじめてだった。
浮力が足りるだろうか、という心配などする必要がないくらい吹いていた。セイルを引きこむことができないほどだ。開いたセイルを風にひっかけているという感じなのに、板はフルプレーニングだった。チョップに当たってもさすがは NG。跳ねまくることはなく、走りつづけることができる。WAVE265 だったら完全にロデオになっていたところだ。
湾中央で沈して方向を変え、スタボーで材木座をめざしながら張り直すセイルのことを考えた。4.2 にしたいと思ったが、風が落ちたらどうしようもない――よし、 4.7。
駐車場と海岸を往復しているとき、I亀さんを見かけたので挨拶する。I亀さんは風が強すぎると撤収しているところだった。
ぼくはセイルを 4.7 に換えてふたたび、海へ。
あれ?
――アンダーだった。
風はどんどん落ちてしまい、さっきまでのスラロームコンディションも下回ってしまう。お約束のとおりぼくはビーチ沿いを歩いて材木座に戻った。鎌倉はいつも二時に風が上がってがくんとなくなっているような気がする。
どうしようもないので板を WAVE265 に交換した。
プレーニングしない。5.7 のセイルを張っていたとしてもプレーニングしたか、どうか――。
それでもしばらく風が上がってくることを祈りつつ、WAVE265 + 4.7 のセットで海に出ていた。セイルをもういちど、5.7 にかえるべきだったかもしれない。しかし、かえてもう一度、風がどん吹いたら目もあてられない。
唯一の楽しみはインサイドに戻ってきたとき、パンピングして波に乗せることだった。
二度ほど乗せた。
その十倍はビーチ沿いを歩いた。
一瞬だけ風が上がった。
が、それは何かの気の迷いだったらしく、すぐになくなった。
もういやだ。
ビーチにあがると、F原さんが石垣のところで腕組みして笑っていた。
落ちると読んで 5.8 のままで待機していたのだという。
「勝った!」
ひとこと残してF原さんは海に出ていった。
悲しかった。
セイルを交換する気力もなく、県営駐車場前の渋滞を横目に見ながら撤収。
最近、こんなんばっかりだ。
Return To HomePage | Return To List Page
Takehiro Yamada