
伊豆合宿III(渋滞はなく)
2001 年 10 月 08 日(月)体育の日
伊豆白浜
雨のち曇り
Sail:COMMBAT 4.2(NEIL PRYDE)Board:WAVE265(MISTRAL)
雨が降っていた。
宿から見下す海は暗く、風波がそれを白く刻んでいる。
伊豆合宿最終日。昨夜はYRNのNNコンビの漫才(?)も聞くことができ、ひさしぶりに幸せな気分になれた。
帰宅組とウィンド、やって帰るよ組とに別れる。
I田さん、M木さん、I藤さんは外浦へ。
白浜はN沼さん、T、Sさん、O田くん、それにぼく――ほとんどが帰路の渋滞を予想してウィンドなしを選んだらしい。雨が降っていることもあるのだろう。
白浜に到着。
雨は小雨。風は昨日よりもある。波もサイズアップしている――が、昨日の波よりも質はいいようだ。セットがととのっている。さすがに風が強すぎるのか、サーファーの姿もまばらだった。ただ、気温は低い。
スプリングを断念して ER のセミドライをだす。
Sさんからアルミブームを借りてセイルを張る。
ブームについているハーネスのストラップ部分が腐っていた。それを自分のに交換するのに多少、時間がかかってしまう。その間にN沼さんは 4.5 で出艇し、戻ってきてさらに小さなセイルに換えた。
その間に雨は上がった。
Tははじめて張るセイルに戸惑っている。
出艇。昨日は砂だった波打ち際の海底が一晩、波に洗われたせいか、砂利になっていた。波のサイズはあるが、間隔が昨日よりもある上、風も充分だ。あっさりとアウトにでる。昨日より全然、楽だ。
あいかわらず、のんびりとがっつくこともなく、一本に一休憩で乗る。
気分がでてくる――ウェイブモードがオンになるのがわかる。これはぼくだけじゃなかったようだ。セッティングしていたとき、Tがあけっぴろげな笑みを浮べていっていた。
「――ウェイブモードになってきた」
波は肩から頭ぐらいある。
パワーもある。バックサイドで乗っていてトップの近くで板を返すとき、力負けしていてうまく返せない。
一度、崩れて腰ぐらいになったスープの上を突っ走ったときの快感は忘れがたい。
興奮で視界が白くなる。おもわず、ノーハンドセイリングで両拳を突き上げて曇天へ絶叫を上げそうになった。
ようやくセッティングを終えたTが出艇してきた。
ビーチから見ていると、首ぐらいの波にバックサイドで乗ってトップで板を返していた。驚く。今年の最初の菊川では波のボトムとボトムをつないでかっ飛んでいくことしかできなかったのに。曲りなりにも――そして、まちがいなくウェイブライディングをやっている。トップからボトムにまっすぐ下りたTはフロントへ。後傾がきつい。板の横からスープに喰われて沈。
それでも上がってきたTはセッティングしていたときの倍ぐらいのあけっぴろげな笑いを浮かべている。
それにしてもこの男のセンスには驚く。スキーが激うまだというバックボーンがものをいうのか、それとも子供のように帰宅時間を忘れて遊ぶ性格のせいか。そのうち、ウェイブでも抜かれてしまうにちがいない。今は同じぐらいのレベルか。やばいなぁ。
アウトの掘れたうねりで何度かジャンプさせられてしまう。
それもまた、楽し。
あまり沖合いまでラインを延ばさないで乗っていたのでインサイドに戻ってきたときはウィンドのエリアのだいたい下端につく。そこから上り気味のラインで右横からくる波にあわせていってバックサイドで乗る――なるべく大きい波を目指した。頭をちょい越えるくらいの波にタイミングがあった。
よっしゃーっ。
崩れる波のタイミングを見計らってバックサイドでトップへ。リップを狙う。リッピング……パワー負けした。板を返せず、波に喰われた。前に――ボトムに向ってセイルごと倒れる。やばい。死ぬ。ねじれるように半回転してスープの中をセイリングフォームのまま、もみくちゃにされる。フットストラップに足が入ったままだ。去年、ウェイブクリニックのとき、鎌田プロに注意されたこと――巻かれたときはとにかくフットストラップから足を抜け、そうしないと足を折る、ということが一瞬で頭をかすめる。しかし、今、ストラップから足を抜くと板が暴れてスケグが頭に刺さるかもしれない。道具から手を離すことはさらにやばそうだ。全神経を集中してフットストラップに足をいれたままでいる。
スープのパワーが一瞬、減じた。
そのタイミングですばやく足を抜き、ブームから手を離してセイルのマストトップの方を持ち直す――次の波がきたのか、次の瞬間、再び、海中を激しくふりまわされた。息が苦しい。一分近く水中にいたにちがいない。限界まで我慢して水を蹴って海面へ出る。
うぉーっ、空気だ。
死ぬかと思った。
それ以降はびびりがはいって波を攻めれなくなってしまった。
昼休みを終えて最初の一本目。
ゲッティングアウトでスープに突きささって前に飛ばされた瞬間、セイルとボードが激突。ぱきん、と乾いた音が聞こえた。しまった。気合いが抜けていた。ボードのノーズが逝った――直感にまちがいはなかった。ショックを受けてしばし、ビーチにたたずむ。
海ではN沼さん、Tと楽しんでいる。
とにかく、とタイトロンと梱包テープで応急処置した。
もうあとは知らん。
セイルとボードを抱えて海へ入る。
沖合いからN沼さんが戻ってくるのが見えた。ぼくはセイルに風を入れてボードに飛び乗る――スープを越え、加速し、目の前の波へ向かう。その波にはN沼さんが乗っていた。N沼さんはフロントにふってぼくの目の前を通過する。ぼくはそれにあわせて上り気味のラインで波越え。トップターンするN沼さんがちらりとこちらを見た。ミート&グッドバイでぼくはアウトへ。
そして、N沼さんはボトムへ下りていったにちがいない。
結局、この日は十数本、海を往復した。
駐車場の時間があるので早目にあがり、N沼さんをのぞく四人は温泉に行ったり、飯を食ったりしてのんびりを帰路についた。道はほとんど、渋滞してなくて十一時には家に帰りつくことができた。
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Takehiro Yamada