
本栖湖三連発(ジャイブ)
2001 年 07 月 20 日(金)海の日
本栖湖FANビーチ
晴れ
Sail:V8 7.5(NEIL PRYDE)(NEIL PRYDE) Board:バーレープロト->DROPS 9'6"
浩庵荘のホームページによると昨日、一昨日と本栖湖は吹いていないようだった。
近くに前線があってそのために大気の状態が不安定なのだろう。
今日もあまり期待できないかも――とは思っていた。それでも三連休のうち一日ぐらいは吹くでしょ。そんなルーズな考えで本栖湖へ。
N社、T社、石渡マリンなどがFANビーチ上側のキャンプ場でバンガローを借りている。今回はそこへTとぼくは乱入しようというのである。
初心者スクールをやっているF原さんに挨拶をしたあと、Tを残してぼくは風がサイドになるFANビーチ前へ移動。風はすでに入りはじめていた。さすがに世間でも三連休なので本栖湖はかなりの人口密度になっている。ずらりと道路脇に、クルマが駐車している。かなり競艇練習場あとよりまでいかないと駐車する場所がなかった。
I田さんとM木さんはぼくよりも手前に駐車していた。
Sさんに連絡をとると、あとでドラゴン――FANビーチの向かい側――から遊びにくるという。今回、Sさんはテニスの仲間とキャンプにきている。
風は思ったよりあるようなので、セイルは 7.5 を張った。
風は思ったよりないようなので、ボードはバーレープロトをだした。
出艇したあとは上側のキャンプ場前まで上る。
うーん。先週からジャイブの調子が悪い。ジャイブ後半でどうも体重がテイルに残っているようだ。
何度か、きついブローの洗礼を受けながらもキャンプ場前にたどりつく。
そこはスポットのように風がなかった。沈とセイルアップを数度、くりかえす。Tの姿は見えない。
風をつかむと、ぼくは一気に下っていった。
本栖湖のレースで会得した下りである。忘れてないことを確認してFANビーチ前の湖面を流す。風はアベレージで少し上がったような感じだ。ただし、とてもガスティ。ブローはきつめ。そんなブローにあたると、ボードがオーバーリフトしてスケグだけで走っているような状態になる――スケグに発生する揚力でボードがめくれようとする力を感じる。ぐりぐりとボードがぶれる。
今まではあまり感じなかったが、バーレープロトはかなりアビーム方向のセイリングがむずかしいことを痛感する。たぶん、スケグの大きさとも関係があるのだろうが、セイルに身体をもっていかれるパワーが尋常じゃない。正直いって恐い。クローズか、リーチングならそんなことはないのだが。
Tが出艇してきた。下ってくる。
Sさんもドラゴンからたどりついた。
ぼくは小休止をとるために、ビーチへ。
フルプレーニングしている状態からビーチ手前でテイルに体重をかけて急ブレーキをかけた。
その瞬間だった。
スケグがパキンッ、と音をたてた。折れた、と思った。かなりはっきりとした音だったのだ。ビーチで腰をおろして休んでいたI田さんにも聞こえたほどだった。
顔をひきつらせてあわててボードをひっくりかえす。
スケグを見る。折れてはいない――が、破損していた。ブレードの部分とボードに固定するベースの部分の継目のところが壊れている。あとで確認すると、ブレードが斜めになってしまい、ブレードとベースは四個所、金属製のネジで固定されているが、そのうち一本が砕けてしまっていた。
その衝撃のせいだろう。スケグボックスのわきに罅がはいっていた。塗装が両側からかかった押しつける力で裂け、割れている――ちょうど造山運動が発生しているような感じだ。
まいったな。
いっそのことスケグが完全に折れてしまっていれば、こんなことにならなかっただろうに。
スケグを何かにヒットしたわけではなかった。![]()
テイルに体重をかけた瞬間にかかったスケグへの圧力のせいらしい。もちろん、今までのセイリングでスケグ自体が疲労してしまっていたのだろうが。
かなりめげて思わず、明るい性格になってしまう。
しかし、今年は本当にウィンドの道具がよく壊れるな。はー。
いずれにしてもボードの替え時だったのはまちがいない。
風はバーレープロトではきつくなってきていた。DROPS 9'6" にかえる。先週のようにウェイブボードをひっぱりだすほどではなかったが。
湖面の人口密度はかなりのものだ。混んでいる。だれがだれやらわからない。セイルナンバーをつけているセイルはその中でも少数なのでなんとか、TとSさん、I田さんなどは見分けがつく。おや、T社のH成さんだ。I村さんの姿も見かける――この段階ではキャンプのメンバーだということは知らなかったのだ――。
N社のT嶋さんが上側から猛スピードでセイリングしてきた。いつ見てもあのちっこい身体のどこにあんなパワーがあるのか、と思えるスピードでかっ飛んでいる。
FANビーチ正面沖でジャイブしたぼくの上側までT嶋さんは下ってきた。ジャイブ。にこっ、と笑ってプレーニングしないぼくを尻目にプレーニング。するすると離される。
――あ、ちょっとくやしいじゃないか。
必死になってブローを探した。いたいたいた。ちょうど来ている。T嶋さんは上っている。ブローにあわせて下りにはいった。ぼくもプレーニングにはいる。
ボードのおかげだろう。二艇身までつめよる。
岸手前。
T嶋さんはジャイブシークエンス。ボードがオーバーフローティングなのか、ボードのほんの一部をのぞいて本人ごと完全に水面から浮き上がっている。キントウンにのっている孫悟空か?
よくあんな体勢でバランスを崩さないものだ。あと聞いたところによると、「犬のおしっこジャイブ」と呼ばれているらしい――たしかに片足は犬のおしっこ状態だった。
ぼくもジャイブをしてついていこうとしたが、風がない。今度はブローラインもなかった。するするとプレーニングしてT嶋さんは遠ざかっていく。見えなくなった。
ありゃりゃ。まー、いいんだけど。
それ以降はほとんど人とはからまず。ジャイブの練習にいそしむ。
何度か、やっているうちにレイダウンぎみのジャイブを試みた。セイルを強く引き込んでのジャイブ。
ん?
ん〜。いい感じ。
今まではセイルごしにボードのノーズを見ていたのだが、それがマストごしに見えるようになった。いい。これはけっこういい。水面に強くボードがおさえつけられている感じがあって、水面からの反発力が楽しい。
しかもスタボー、ポート、どちらもできるぞ。
もしかしておれって開眼した?
って思っていたらノーマルのジャイブができなくなってしまった。
……ちくしょう。ワンパターン野郎め。
あと二日のことも考えて早目にあがる。
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Takehiro Yamada