WAVEクリニック




2000 年 12 月 16 日(土)
御前崎菊川河口
Sail:NR 4.7->COMBAT WAVE 4.2 Board:WAVE265(MISTRAL)



 12月16日。午前3時半。SさんとTがわが家に到着。ウィンドの道具をぼくの車に積みこんで御前崎菊川へ出発。東名高速を厚木→吉田とつかってだいたい三時間で到着。大東レストハウス脇の駐車場にTさんのワンボックスカーを発見。その横に停める。8時ぐらいまで仮眠。ぽつりぽつりと人が集まってくる。海を見てみると、風も波もあまりない。とにかく最大サイズを張るしかないな、と考える。TさんとSさんが早々とセッティングをはじめたが、集合場所をまちがっていることが判明。あわてて道具を車にほうりこんで移動する。正規の集合場所にはちゃんと人が集まっていた。あはは。

 開会式。
 その場であらかじめアンケートをもとにクラスわけされているという。あせる。習いたいこととしてクロッシングアップなどと答えてしまっていたのだ。どうみてもだいぶん乗れそうじゃないか。でもウェイブ初心者なのだ。スラロームボードでウェイブっぽいことをしたことがあるにすぎない。夢を語ってしまった。案の定、ビギナーズクラスではなかった。し、しまった。

 石井プロクラス、松井プロクラス、鎌田プロクラスといちおう上から、参加者のできる人順にという感じの振りわけ。ぼくは鎌田プロからおそわることに。プレッシャー。正直に御前崎ははじめてというとほんの少し鎌田プロもこまった顔をしていた。あたりまえだよね。同じクラスの人間には去年、十数回、御前崎に来たとかいう人がいるのに。最初のミーティングでいきなりフロントサイドライディングにたいする質問が。思わず目が点になってしまう。ここでまずいことを思い出す。今までバックサイドで波乗りっぽいことをしたりしたのは全部、スタボーなのだ――いわゆるレギュラースタンス(まちがっていたらごめんなさい)。グーフィーはまったくのはじめて。やっばっいっじゃーん。しかもボードは265のミストラルでボリュームが92リッターもありやがる。鎌田プロそれを見てますますこまった顔になる。でもね、本人が一番、不安だったんだよね。こんなでかいボードでだいじょうぶだろうかって。胃が痛くなるぐらい。

 ミーティングのあと、海をチェック。思ったより風が上がっていた。波のサイズもあがってきているようだ。ビーチで感じる風は 4.7 でもオーバーのような気がする。鎌田プロによると午後にはもっとあがるんじゃないかという。でも 4.2 ――今回もってきた中で最小のセイルでは風が足りないような気がするし、今までの経験でオーバーセイルのときよりもアンダーセイルのときのほうがひどい目にあうことはわかっているので、とにかく目をつぶって 4.7 を張る。

 結局、この選択はそんなにまちがっていなかったらしく、むしろ少し風が足りないかもという感じだった。最初の一本目のゲッティングアウトはあっさりと成功。ちゃんとだいたい出艇した場所に戻れる。これでひと安心。なんとかなりそうだ。でもやはり全然、波の上で板を回せないことが判明。ぐりぐりなんてできそうもない。スタボーならもう少しましだということがわかっているのですごくストレスを感じる。ちくしょう。うねりのボトム――ほんとうにボトムだったのかどうかは別として――でターンをしようとすると、板が跳ねるのだ。なんでぜんぜんターンしない。二、三本で腕がパンパンになってしまった。ハーネスの長さもブームの高さも合ってないよー。ビーチに上がると、鎌田プロが駆けてきてくれた。セイルの張りぐあいを見てくれる。全然、ダウンテンションが足りない、という。張りなおしてくれる。おれの目からすごく張ったように見えた。えー、こんなに張っていいの、という感じ。でもそれで乗ってみると驚くほどセイルの取りまわしが楽になっていた。おおっ。さすがプロだ。

 下側のビーチで乗っているTたちのほうのところにあがる。Tがいう。「Sさんが飛んだー」そのあと、戻ってきたSさんがおれを見つけると駆けよってきて叫んだ。「飛んだっ」ドーパミンが大爆発している。Iさんもにこにこしている。なんとなくおれだけがつまんない顔をしていたような気がする。くそー、うまくのれないよー。ジャンプしたとき、ハーネスラインを外し忘れていることに気づくまでしばらくかかってしまうほど、頭がテンパッてしまっていた。ジャイブのやりかたも完全に忘れてしまった。風も上がり、波のサイズもあがってきてオーバーセイルになってしまう。波で板を回そうとするどころか、まっすぐ爆走するしか、できなくなってしまった。これはだめだ。鎌田プロにセイルをかえます、といっていったん、駐車場へ。ついでに昼飯――は買ってなかったので、朝、Sさんからもらったバナナと朝、食べなかったオニギリを食べる。

 セイルは 4.2 にサイズダウン。死ぬ気になってダウンを引く。かなりパンパン、リーチはてろてろ。鎌田プロに見てもらうと、いいんじゃない、というので、それで出艇。また、ハーネスの位置がずれてしまった。あたりまえだ。4.7 のままなんだから。馬鹿。それでもセイルサイズを下げたおかげで多少とも板を動かせるようになる。波だ波だ波だ――そうやって追いかけていったらスケグを海底にひっかけて前転してしまった。ジャンプもようやく安定してきたような気がする。一本、長く滞空したジャンプを味あう。けれどおしいことに飛ぼうと思って飛んだわけじゃなく、うねりをこえてみたらそうなっていたのだ。残念。4.2 で二本ほど乗って、風が足りなくなりはじめる。アウトにでるとき、プレーニングしなくなる。インに戻るときはうねりにのせて加速できるのでなんとかプレーニングできるのだが。きちんと出艇した場所に戻るのがむずかしくなってきた。終りが近づいてきていた。

 ビーチに上がってほかの人のライディングをながめる。フォワードループをはじめて直に見る。サイズのあがった波にフロントライディングしている。Tがまるでスラロームにのっているように凄いいきおいで波を追いこしていく。徐々に海ででているセイルの動きが遅くなっていった。にこにこしていた鎌田プロが近づいてきて、これだけ乗れれば、だいじょうぶですよ。あとは経験を積めば――とほめてくれる。単純にうれしくなる。雲がでてきたこともあってあたりが暗くなってきた。かなり傾いてきた太陽は赤く膨張してきていた。そろそろあがります。鎌田プロにそういってかたづけにはいる。

 閉会式。
 それで今日のWAVEクリニックは終了。

 Iさん、Tさん、Sさん、T、ぼくは御前崎ユースホステルに一泊して翌日にそなえるのだった。でも次の日は雨だったんだけどね。


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Takehiro Yamada