ドーパミン大爆発




2000 年 11 月 19 日

三浦菊名海岸

 夜通し吹いていた風がまだ残っている。
 左手からのサイド――ややクロスオンぎみ。
 右手の暗礁が気になるので津久井浜へ移動しようかと思っていたが、早々と出艇している人がけっこう調子よく乗っている。沖の小島をこえると風は強くなっているようだ。インサイドはわりとがすがすだが、十分な風に見える。セイルは選択の余地なく、手持ちの最小の 5.7。ガストラのスラロームセイル。ボードはどうしようか、少し迷う。Fさんから買ったミストラルのウェイブボードにするか、コペロの強風用スラロームか――。ミストラルのウェイブボードは初ライドだ。

 まずはコペロででてみることにする。ハーネスはパンツ。
 この頃にはけっこうな人数が出艇していた。
 沖の小島の風下側をかすめうようにしてアウトにでる。思いっきり暗礁の上を通過したはずだが、スクグヒットもなし。DROPSだったら完全にやってたな、と思いながらアウトへ――完プレ。風はジャスト。むちゃくちゃ速い。目がついていかない。うねりにはね飛ばされないように全身で上下動を吸収するのに精一杯。一瞬、ジャンプしようか、と悪魔のささやきが聞こえたが、死ぬな、と思ってやめてジャイブ。沈。ウォータースタート。インをめざす。今度は小島の風上側を抜ける方向。さっきよりも速い。うねりの頂点でエッジがくわれて右足のウェットスーツがめくれてしまう。

 ビーチに上がってSさんと少し話しをしてからもう一度海に戻る。
 さっきと同じラインをとる。アウトでジャイブしたところ、うまくいってしまった。どうせ沈してしまうと思って、砂を落としてなかったブームをつかんで、ひーひー、いいながらインへ戻る。二度ほど、スケグが抜ける。
 海から上がるとFさんがきていた。セイルサイズを聞かれる。6でどうだろう、というのでそりゃ、アウトで完全にオーバーでしょう、と答える。
 ボードをウェイブにかえて再び、海へ。
 ゲティングアウト。いかん。乗り方がスラロームになっている。ストラップの位置がボードのエッジ近くにないので変な感じ。ベアさせて前フットストラップに足をいれてプレーニング。沖の小島の風下側を通過してから後ろ足をストラップにいれた。

 おおっ、スラロームと全然、乗り味がちがう。

 なんとメロウな。

 スピードは全然ないけど、ふにふにした感じ。おもしろいっ。いかにもくりくり動きそうだ。満面どころか全身笑みを浮べてインへ向かう――ジャイブのとき、沈したけど――。小島の風上側をこえてインサイド。レイルトゥレイルをやってみる。おおっ、動く動くくりんくりん動く。ちょっとしたうねりにぐりぐりレイルトゥレイルをやりながらビーチまで走る。
 すぐにビーチにあがってSさんに報告。
「おもしれーっ」
 Sさん、あきれている。
 Fさん、Sさんと話をしているうちに、インサイドに風がはいりだした。
 出艇してインサイドで乗る。アウトに向かうときにジャンプを狙ってみる。小島のそばでうねりが掘れていた――えいやっ。ふわりとジャンプしたのまではよかったが、スラロームのジャンプの感覚で後ろ足を引きつけたらノーズが一気に下を向いてしまった。ハーネスをかけたままだったこともあって耐え切れず、激沈。セイルで首と肩をしたたか打ちつけてしまう。それでも、うはははは、と笑っていた。馬鹿だ。
 一往復したところでダウンが緩んでいることに気づく。
 ビーチ際でダウンを引きなおして再び、海。
 Fさんが奇声を上げながら乗っている。Sさん、ボードの浮力が足りないのか、沈んでしまっている。
 小島とビーチの間を二往復ほどするが、さっきの失敗のせいか、思いきってジャンプできない。インに向かうときはあいかわらず、ぐりぐりとレイルトゥレイル。一度、ビーチ際でキックジャンプをしてみる。自分の気持ちの中ではきちんと飛び上がる。スラロームより楽だ――というより 9'6" のDROPS+ 7.5 のスラロームセイルの組みあわせとくらべるほうがまちがいかもしれない。
 アウトにラインを延ばす。プレーニングしたまま、小島の風下側を通過。通過したところに掘れたうねり。反射的にハーネスを外してジャンプ。さっきと同じくらいの滞空時間のあと、着水。ノーズはやはり下を向いてたけれど、ハーネスを外していたので沈せずに、そのまま。走りだす。
 非常に満足。
 今度はハーネスをおニューのウェストハーネスにしようと海からあがる。
 ハーネスを取りかえようと、ふと海を見ると、風を落ちだしていた。
 しばらく様子を見ているうちにも風はなくなっていく。Sさんがスラロームに 7.2 を張ってでていくが、うまく走らないようだ。スラロームをだそうか、と準備をしはじめるけれど、どうも気が進まない――
ウェイブの味をスラロームで上書きするのもなぁ、と思っていたのだ。
 Fさんはもうウェットをぬいでしまっていた。
 完全に風がなくなるのを見届けて、ぼくもあきらめる。
 まだ乗り足りなかったけれど、しかたがない――と思っていたけど、二時間もすると、疲労でふにゃふにゃになってしまう。


 翌日、Eastスラロームで痛めた右足は痛いわ、右足首は痛いわ(これはレイルトゥレイルのやりすぎ)、左足小指が痛いわ、全身筋肉痛だわで思いっ切り寝坊してしまった。


2000 年 11 月 19 日



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