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馬券を空売り




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2007/01/09up


 パドックで馬を見ていると、時々、ああ、あの馬、空売りしてえ、と思うことがある。
 絶対、この馬はこない――と思える馬がいることがあるからだ。入着しないことに賭けたい。その馬を外して馬券を買うというのが一種の空売りになるのだろうが、それでは能率が悪すぎる。外して買った馬も空売りしたい馬も入着しないことはあるわけだし。それならいっそその馬を本当に空売りできればなぁ、と思う。
 どこかでそんな馬券を売りにだしてくれないだろうか。
 オッズはたぶん、通常のオッズの逆数になるだろう。
 単勝五倍なら、空売りだと五分の一。つまり、的中したときは、100円がつき、外れたとき――つまりその馬が一着した場合は500円を払うということになる。
 この買い方ができれば、次のような戦略が可能なのだ。
 絶対、これはこない馬がいた場合、その馬を空売り。そして、くると思う馬に普通に賭ける。
 万が一、くると思った馬が外れたとしても、空売りした馬が勝たなければ、勝負としてはチャラだ。普通に買った馬券代は空売り馬券が補填してくれるからだ。
 空売りと通常の馬券が的中すれば、上がりは増える。
 つまり、リスクは空売りの馬がきたときだけだ――それ以外では損はない、ということになる。
 いわゆるヘッジである。
 もちろん、空売りの馬がきたときはそれなりの金額を払わなければ、いけないことになるが。単勝万馬券の場合をそれを買い支えるわけだから。
 にもかかわらず、このルールなら空売りの方は若干、有利になる。
 なぜなら通常のオッズは主催社の取り分をのぞいたオッズだからだ。実は単勝五倍は五倍ではない。購入者に25%、不利になっている。ということはその逆の空売り側は25%、有利になるということに他ならない。空売りオッズが単勝オッズの逆数ならば。
 実際、普通の馬券のオッズと空売りのオッズが別々に決まるのならそこには裁定取引のチャンスも生まれることになる。極端な場合を考えてみよう。単勝五倍、空売り五倍の馬がいた場合はその馬は買いである。単勝と空売りを両方買えば、かならず、五倍の払い戻しがあるわけだから。
 まったく無リスクで、だ。
 すごいよなぁ。
 どこからでやらないだろうか。そんな馬券。


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Takehiro Yamada