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複利について




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2006/08/15up



 複利というものがある。
 たしか小学生の高学年のとき、算数で習った記憶があるのだが、もしかしたら中学だったかもしれない――たとえば、年利15%で運用すれば、5年で元本が倍になるが、固定金利では1.75倍である。だから複利の力はすごいというもの。
 そういうわけで株式投資は複利の力を味方につけることである、という論調を見かけたことがあるのだが、ほんとうにそうなのか?
 もしかしたらウォーレン・バフェットが「バフェットからの手紙」でそう述べているからそう信じこんでいるだけではないのか。なぜなら株でなくとも――定期預金でも複利は可能だからだ。だから複利の効果のことでは株をすすめる理由にはならない。


 単純にいって毎年の年利が不定の株式投資で複利の効果がある――望めるということ自体がおかしい。株価の上下動はかなり大きく、増えたり減ったりするからだ。そこに複利が望めると考えること自体、おかしいではないか。
 それでも米国では過去のデータから株は年利8%ほどの結果が得られている、というが、もちろんそれは結果として年利8%と同等だった、というだけで毎年、8%の年利が得られたということではない。


 ただしこういう言い方はできる。
 経済の成長は複利である、と。それがゆえに経済とリンクしていると考えられる株式は複利で成長すると考えることができる。ローマクラブの「成長の限界」では幾何級数的増加といっていたが、さまざまな成長に関して複利効果が存在することを示していた。経済もそうだし、環境汚染もそうだった。


 そういう言い方以外にも、株式投資は複利の効果が大きい、とする面は存在する。ただしそれには条件がひとつ必要になる。長期保有、という。
 仮に年利15%の定期預金があったとして、5年で元本が倍になるか、というと、実はならない。なぜなら税金が存在するからだ。15%の利息には毎回、税金がかかる。そのため、複利の効果は薄れることになるのだ。複利というのは利息に翌年以降、金利がかかるからこそ、単利よりも増えるのだから。それは長期になれば、なるほど、ボディブローのように効いてくることになるだろう。
 ところが株式を長期保有した場合、年々、株価が上昇し、含み益が発生したとしてもそこに税金はかからない――かかるようになったら大変だ――。そのため、企業内部に溜めこまれた株主にわりあてられる利益は再投資され、税金によって目減りすることなく、結局、それが複利と同じ効果を生むことになる。
 それを企業が生みだした利益をいったん株主に分配すると(配当ですな)、そこには税金がかかり、株主が再投資したとしても複利の効果は薄まることになる。


 先のウォーレン・バフェットの言葉は結局、税金に目減りさせられることなく、複利の効果を得る手段は株式の長期保有ぐらいしかない、ということなのだろう。



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Takehiro Yamada