はじめた理由
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2006/08/01up
金持ちになりたかったわけじゃない。
資産が爆裂に増えるならそれでかまわないが、アーリーリタイヤを目指したわけでもない。株をはじめたのは資産防衛のためだった。資産と呼べるほどの金額ではないが、それでも多少の貯金はあり――この文面から感じる金額よりはるかに少ない――、ただ漫然と目減りしていくのはひどく気分が悪い。
目減りしていくことに気づかず、生きていくのはもっと気分が悪い。気づかないのだから、気分が悪くなることはないだろうが、気づいてしまった。単純に考えて感じなくても資産は目減りしていくのだ、と。
そして、フリーで仕事をしているのでそろそろ、終わりが近い、と感じていたこともある。アーリーリタイヤしたいと思ったわけではないが、アーリーリタイヤせざろうえないかもしれない。
さまざまな個人投資家のブログを見ていて違和感を覚えるのは、経済的自立を目指す、とうたっているところがけっこうあるということだ。
経済的自立って何だ?
いいたいことはわからなくもない。
サラリーマンを辞めても生活していけること――そんなところだろうか。
そんなに仕事を辞めたいんだろうか。
個人的には、ま、仕事はつまらないと思うことも多いが、おもしろい瞬間もあり、つまらないことだけを強調しても無意味だ。なので元々、経済的自立はあまり求めていない。というか、つまらないと思ったらとっくに辞めているだろう。実際、一度、辞めたことだし。
ただ、いずれ、食わんかな、というための仕事することになるだろうことは想像にかたくない。それを回避したいがための資産防衛というわけで、結局はぼくも経済的自立を目指しているということになるんだろうか。
正直な話、気づくのが遅すぎた、と思っている。
たとえば、二十代のころから地道に毎月、一万円ずつでも株に投資しておけば、ずいぶんと状況はちがっていただろう。地道に、ということを舐めてはいけない。二十年以上の時を取り戻すのは容易ではないのだ。
ただ、多少の慰めはぼくの二十代の頃からだと、株はお金を失なう結果にしかならなかっただろう。株式投資は存在したけれど、手数料も高く、重要なのはインデックスファンドが存在しなかったからだ。
今、二十代の人間が多少なりともうらやましく思うのは、インデックスファンドが日本にもあるということだ。
株をはじめて半年ほどたっての結論なのだが、かける労力にたいして一番、効果が高いのはバリュー投資ではなく――バリュー投資の利点に短期トレードにたいして対コストを上げることがあるが、それよりもはるかに小さいコストで株の旨味を手にいれることができる。それがインデックスファンド定期積立だ。
正確にいうなら「インデックスファンド+ドルコスト平均法+長期保有」である。
インデックスファンドが潰れる可能性がまったくないわけではないし、日本経済がおかしくなる可能性もある。けれど、月々、定期的に一万ずつインデックスファンドを購入していけば、四、五十年後にはかなりの高い確率で資産を成せる、と思う。ただし、この方法ではウォーレン・バフェットのようなお金持ちにはなれない。小金持ちになれるかもしれないが。
1989年から2005年のほぼ日本経済としてはかなりきつい時代でも上記の方法で年利5%弱の結果をだせている(計算上だが)。益がでたのは2005年になってからだが、1989年のバブル崩壊の下落局面をくぐり抜け、しかもこの時期はデレフであったことを考えると、充分な数値ではないだろうか。
実際はインデックスファンドが日本にできたのは1991年ぐらいのようなので、そこからならもっと年利はよくなるはずだ――。
正直、気づくのが遅すぎた。
1991年からの15年、毎月一万ずつ積立てることは可能だった。
トータル180万をいれ、約370万になっている。
結果論だと思われるかもしれない。
それでも「インデックスファンド+ドルコスト平均法+長期保有」という方法の性質上、リスクはかなり低い。インデックスファンドが銘柄選択のリスクを分散し、株価の上下という短期のリスクをドルコスト平均法と長期保有が平均化してくれるからだ(実はドルコスト平均法をとっているということはかなり重要だ)。
そして、充分、長い期間、何も気にする必要がない。放置するだけだ。
自分のやりたいと思うことに集中していれば、いい。
少なくとも今の二十代の人間がこの方法をとっていれば、将来、年金の支払いがない、と思いわずらう必要はないのではないか、と思う。
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Takehiro Yamada