現金というのは貸借対照表で流動資産に分類される




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2006/05/31up



 現金というのは貸借対照表で流動資産に分類される。
 日々の支払いに使用されるからだが、現金の金額が大きい企業にたいしてこう考える自分がいる。回転しない無駄金じゃねーのか。動かないただ、積み重ねられた資産ではないか、と。つまり、現金といいながら固定資産――しかも非事業用だ――になっているのではないか、と。現金は事業に必要な最小限でいいはずだ。それ以外の余剰金は事業に再投資するか、あるいは有価証券などの購入にあてるか、株主に配当金として還元するべきだ。
 と、そこまで株式投資で勉強したのだが、ふと、考えるにこれは個人であっても同じことではないか?
 なぜなら現金で持つというのはもっとも流動性を高い状態にしている、ということにすぎないからだ。急な出費のときにすぐに支払える――だからキャッシュカードの引き下ろしに制限が設けられたときには、ぼくは脳の血管が切れそうになった――それ以外のメリットはほとんど、ないといえる。固定された現金には利息がつかない。
 だから余分な現金は定期にしてしまうというのがひとつの手だ。
 わずかだが、利息がつく。
 ただ、だれでも知っていることだが、その利息はけしてインフレ――物価の上昇を上回ることはない。どんなものでも時間とともに価値は下落していく。それは現金であっても例外ではない。
 だから企業が固定資産化した現金を持つべきではない。
 だが、それは個人も同じではないか?


 株の売買でバカな頭でない知恵を絞っているとき、迷ったのは――他のことでも迷いつづけているが――いつ売れば、いいのか、ということだった。株を買ってそして、売らなれば、利益は確定しない。株価が上がったとき、いつ売ればよいのか。まだまだ、あがるかもしれないじゃないか。買う前から心配していた。
 ウォーレン・バフェットフィッシャーのような成功した大投資家の、一度、買った株は売る必要はないのです、というのは金持ちのセリフだ、と思っていた。
 だが、そうなのだろうか?


 余分な現金は現金の形で持つべきではない。
 それはもっともインフレに無防備な資産形態だからだ。個人の貸借対照表も企業のそれもかわりはしない。必要な分だけ現金で持っていれば、よい。それでこそ流動資産だ。ではそれ以外の現金はどうすれば、よいのか。もちろん、現金以外の、インフレに対応できる形にしてなおかつ、現金に戻しやすいものがいい。二台目の車を買うなんて論外だ。第一、車ではインフレには勝てない。
 株に投資するのもひとつの選択だろう。
 そして、余分な現金で購入された株は売却する必要がない。なぜなら流動資産――回転資金――生活資金が不足しないかぎり、資産は現金以外の形にしていた方がいいからだ。つまりバフェットやフィッシャーでなくとも、買った株は売る必要がない。現金が必要にならない限り――基本的に普通のサラリーマンは月々、給料が入るだろうし、必要になったとき、株を売却するのは容易だ。
 まぁ、そのとき、ものすごく元本割れしている可能性もあるけれど。



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Takehiro Yamada