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人は概ね、生きつづける




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 十代のころは、二十まで生きのびることができるとは思ってなかった。
 いつか――明日にでも事故にあって死んでしまうにちがいない、と信じていた。
 理由は簡単だ。明日のことなどだれにもわからない。人はいつ死ぬか、わからない。ところがあっさりと二十代をすぎ、三十代も超え、いまや四十も半ばだ。
 いったいおれは何をやってたんだ?
 答え。何もやらなかった。明日、死んでしまうなら何をやっても無駄というものだ。


 四十になったばかりころ、急に不安になってきた。
 ――もしかしたらおれは死なないのではないか、と。
 思えば、極端に走ったものだが、最近、ようやく確率を応用できることに気づいた。
 明日、死ぬ確率は、明日、生きれる確率よりも極端に低い。
 つまり人は概ね、明日を生きのびてしまうということだ。


 ただ、1万分の1で一の目がでるサイコロでも、平均1万回、ふれば、一の目がでるように、人はいつか、死ぬ。明日、死ぬ確率が顕在化する。そして、その結果は決定的で、それ以降、人は翌日も死につづける。



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Takehiro Yamada