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Matrix異聞




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 最初の「マトリックス」しか見ていないので、なんともいえないのだけれど、個人的な評価は低い――かなり低い。理由はわりあいはっきりしていて「マトリックス」の中ででてくるシークエンスがどれもこれもどこかで見たようなものばかりだったからだ。
 たとえば、最後の方でエージェントから銃撃を受け、その弾丸がネオ・アンダーソンの前で停止するシーンがある。そして、その停止した弾丸をネオがつまむシーンが。見た瞬間、荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な大冒険」からパクリだと思った――というよりパクリでしょう、これは。
 まさに「ジョジョ」の中でディオ/ワールド21が時間を停止して弾丸をつまむシーンがあるのだ。また、ネオがエージェント・スミスの中にはいって内から爆発粉砕するシーンはまさに「ジョジョ」のサンタナ篇のラストと同じだ。
 この瞬間、評価がかなり低いものに確定してしまった。


 実は観る前、かなり期待していた一本だった。
 予告編をテレビで偶然、観たとき、しびれたのだ――墜落するヘリコプターからのエスケープ・シークエンスが予告編で流されていたのだが、このシークエンスが傑出していた。様々な危機的状況から、主人公がどうやって逃れるか、というのはサスペンスあるいはアクション映画としてはいろいろと手を尽くされているのだけれど、このエスケープ・シーンは度肝を抜かれてしまった。
 これは期待できる――そうぼくが思ってしまったのもしかたがないことだ。
 まさか、そのシーンがクライマックスとは。
 だから予告編を観てなければ、もう少し評価は高かったし「ジョジョ」を知らなければ、さらに少しは。
 それでも最高とは思わなかっただろう。


 ただ、いくつかの場面は非常に気に入っていてもう一度、観てみたいとは思っている。たとえば、それはネオたちが敵のビルに侵入したときの銃撃シーン。たとえば、先にいったヘリコプターからのエスケープ・シーン。また、ネオが弾丸をよける有名なストップモーション・シーン。このみっつのシーンは非常にすぐれている。何度でも観たい、魅力にあふれている。このみっつがあるだけでも「マトリックス」はOKかもしれない。
 ブルース・リーの映画はブルース・リーのアクションがあるだけでOKというのと同じで。それでいいのか、といえば、それでいいのだけれど。
 そのみっつをつなぐストーリーが弱い、と思っている。もっとサスペンスがだせるように思ってしまうんだよね。ネオが現実が実は現実ではないと気づいていくシークエンスなんてもっとおもしろくなるんじゃない? 現実が現実感を喪失していくわくわくしていく感じはもっとだせると思う。なんか今までの映画からそのようなシークエンスをパクってもってきてはめこんだ、という感じがつきまとうんだよね。もしかしたら単にぼくの個人的な嗜好にすぎないかもしれないけれど。
 第一、仮想現実と現実が区別がつかないという、よくあるバーチャルものとしてはあまりにも現実と仮想現実がちがいすぎる。これだとバーチャルものというより、他の惑星にいくとスーパーマンになる、という話の変奏だろう(それをバーチャルものの枠組で作品にしたのは新しいと思うけれど)。
 もちろん監督(たち?)がやりたかったのは基本的にハイパーアクションだと思うので、それを否定するつもりはないし、むしろ傑出してるんじゃない、とは思う。


 「マトリックス3」の予告編を観たのだけれど、また、マンガからのパクリと思われるシーンが。今度は諸星大二郎の「妖怪ハンター」かい。はふー。



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Takehiro Yamada